実務メモ / リリースガイド

Google Play にリリースする手順

開業届を出している個人開発者が、Google Play にアプリを公開するまでの手順。
ここでいちばん効くのは技術ではなく、最初に選ぶアカウント種別です。選択を間違えると、公開までに数ヶ月の差がつきます。

対象開業届を出している個人開発者(個人事業主)で、これから Google Play にアプリを公開する人
前提Android アプリを配布できる状態にあること。直配布 APK からの移行にも触れます
時点2026-08-11 時点の要件にもとづく
最終更新2026-08-11
注意一般的な情報の整理であり、税務・法務の助言ではありません。Google の要件は頻繁に変わります
TL;DR

ひとことで

開業届があるなら、個人アカウントではなく「組織アカウント」で登録する。それだけで、個人開発者の最大の関門である「12人 × 14日間のクローズドテスト」が丸ごと不要になります。

ただし組織アカウントには D-U-N-S ナンバーが必要で、発行に最大 30 日程度かかることがあります。アカウント登録より先に D-U-N-S を申請するのが最短ルートです。

Fork

最初の分岐で、ほぼ勝負が決まる

Google Play のデベロッパー登録には「個人」と「組織」の 2 種類があります。手数料はどちらも同じ $25(一回のみ)ですが、公開までの道のりがまったく違います。

個人アカウント 組織アカウント
D-U-N-S ナンバー 不要 必須
12人 × 14日間のクローズドテスト 必須
(2023-11-13 以降に作成したアカウント)
免除
提出書類 本人確認書類 開業届の控え+本人確認書類
ストアでの公開情報 デベロッパー名・メールアドレス・ウェブサイト
住所は掲載されません
デベロッパー名・メールアドレス・電話番号
販売アカウントの場合のみ完全な住所
登録料 $25(一回のみ) $25(一回のみ)

12人テスター要件が、なぜそこまで重いのか

2023-11-13 以降に作成した個人アカウントは、本番公開の前に 12人以上の実在する Google アカウントに、14日間連続でオプトインしてもらう必要があります。人数を集めればいい、という話ではないのが厄介なところです。

テスター集めだけで数週間から数ヶ月かかる例が珍しくありません。組織アカウントはこの要件の対象外なので、開業届があるなら選ばない理由がほぼありません。

Steps

組織アカウントで登録する(詳細手順)

各ステップの見出しの下に「詳しい手順を開く」があります。開くと、実際の申請 URL・入力欄の名前・差し戻される典型パターンまで書いてあります。

住所を「公開されるか」から逆算して決める最初にやる

ここを勘違いすると、要らないコストを払うか、出したくない住所を晒すかのどちらかになります。住所が Play ストアに掲載される条件は限定的です。

  • 個人アカウント — ストアに掲載されるのはデベロッパー名・メールアドレス・ウェブサイト。住所は掲載されません。
  • 組織アカウント — デベロッパー名・メールアドレス・電話番号に加え、販売アカウントの場合のみ「完全な住所」が掲載されます。

「販売アカウント」とは、Google の定義では 有料アプリまたはアプリ内購入を通じて収益を得ているアプリを提供しているアカウントです。つまり、組織アカウントでも無料アプリしか出していなければ、住所はストアに載りません。

ただし EU/EEA に配信するなら例外がある

EU のデジタルサービス法(DSA)により、EU/EEA 向けにアプリを配信するデベロッパーは 「取引業者(トレーダー)」かどうかの申告を求められます。事業として継続的にアプリを提供している場合、トレーダーに該当する可能性が高く、その場合は名称・住所・電話番号・メールアドレスが EU のユーザーに表示されます。無料アプリでも対象になり得ます。

回避したい場合は、配信対象の国・地域から EU/EEA を外す選択もあります。開業届を出して事業としてやる前提なら、「無料だから住所は絶対に出ない」とは考えないでください。適用条件は Play Console の該当画面と最新のヘルプで必ず確認してください。

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判断の分岐

A. 無料アプリのみ/今後も課金しない

自宅住所のままで問題ありません。

住所はストアに掲載されないため、事業所を借りるコストは不要です。Play Console と D-U-N-S に自宅住所を登録することにはなりますが、これは Google 内部の登録情報にとどまります。

B. 有料アプリ・アプリ内購入をやる/将来やるかも

事業所住所を先に用意します。

販売アカウントになった時点で完全な住所が公開されます。後から課金を足す予定が少しでもあるなら、最初から事業所住所で通したほうが安全です。あとで住所を変えるのは手間がかかります(STEP 7 参照)。

迷ったときの判断

広告収益のみのアプリは、Google の「販売アカウント」の定義(有料アプリ・アプリ内購入)には直接当てはまりません。ただし収益化の形は後から変わりがちです。「将来課金する可能性が 3 割でもあるなら B」くらいの感覚で決めておくと、やり直しになりません。

B を選ぶ場合にやること

  1. 事業所として使える住所を確保する(STEP 2)。
  2. その住所を開業届に反映させる(STEP 3)。
  3. 同じ住所で D-U-N-S を登録する(STEP 4)。ここが Play Console 側の「正」になります。

順番が逆になると差し戻しになります。住所 → 開業届 → D-U-N-S → Play Console の一方通行で進めてください。

事業所住所を用意する(バーチャルオフィス)STEP 1 で B を選んだ場合のみ

「バーチャルオフィス」は、事業用の住所だけを貸すサービスです。実際の席や部屋は借りません。住所の利用、郵便物の受け取り・転送、オプションで電話番号などが付きます。

相場は月額 500〜3,000 円程度、初期費用 0〜1 万円程度。申し込みから住所が使えるようになるまで1〜3 営業日が目安です。A を選んだ場合(無料アプリのみ)は、このステップは不要です。

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1. 選ぶときのチェック項目

安さだけで選ぶと、あとで「その用途には使えません」と言われます。この用途で確認すべきなのは次の 6 点です。

確認項目なぜ必要か必須度
開業届・事業所住所として使えるか開業届の 上記以外の住所地・事業所等 欄に書く住所になる必須
住所の正式表記が確定しているかビル名・階数・号室まで含めた表記を、開業届・D-U-N-S・Play Console で完全一致させる必要がある必須
郵便物の転送があるか下の「3. 郵便転送は必要か」を参照。条件によっては無しでも成立する条件つき
特定商取引法の表記に使えるか有料アプリ・アプリ内課金をやるなら、特商法表記に事業所住所を載せることになる課金するなら必須
電話番号オプションの有無組織アカウントは電話番号もストアに掲載される。個人の携帯を出したくない場合に必要推奨
法人登記に使えるか個人事業主のうちは不要。将来法人化する可能性があるなら見ておく任意

2. 料金の目安

プラン月額の目安この用途での評価
住所利用のみ(転送なし)500〜1,000 円納税地を自宅に残すなら、これで足りるケースが多い
住所+郵便転送1,500〜3,000 円迷ったらこれ。取りこぼしのリスクを消せる
+電話番号・電話転送上記+1,000〜3,000 円組織アカウントで電話番号を公開したくない場合
初期費用0〜1 万円程度入会金無料キャンペーンを出している事業者もある

年間一括前払いにすると大きく割り引かれる事業者が多く、年 6,000 円前後で収まる例もあります。

主要な事業者(2026-08-11 時点で各社サイトに掲載されていた条件)

事業者最安プランこの用途での位置づけ
レゾナンス 990 円/月
入会金 5,500 円(0 円キャンペーンあり)
最初に検討する候補。この価格で週 1 または月 1 の郵便転送が付き、法人登記・個人事業主利用がどのコースでも可能と明示されています。転送の有無で迷う手間がなくなります
GMO オフィスサポート 660 円/月(転送なし)
月 1 転送は 1,650 円/月
最安。ただし 660 円の転送なしプランは法人登記が不可と明記されています。個人事業主の事業所住所として使えるかは申し込み前に必ず確認してください
DMM バーチャルオフィス 660 円/月〜
ベーシック 2,530 円/月
オプション(電話代行など)が充実。将来的に幅を持たせたい場合の選択肢
karigo プランにより幅あり 全国 60 拠点。東京以外の住所を使いたい場合はここが有力です
料金は変わります

上の金額は 2026-08-11 時点で各社サイトに掲載されていたものです。キャンペーンやプラン改定が頻繁にあるため、必ず公式サイトの最新の案内で確認してから申し込んでください。特に「最安プランで何ができないか」(登記不可、転送なし、特商法表記不可など)は、プラン表の脚注に小さく書かれていることが多い箇所です。

3. 郵便転送は必要か

ここは STEP 3 の「納税地は自宅のままでよい」と連動します。

  • 納税地を自宅にしたまま、事業所だけバーチャルオフィスにする場合 — 税務署からの通知は自宅に届きます。Google も郵送での住所確認は行いません。転送なしの最安プランでも運用できます。
  • 納税地そのものをバーチャルオフィスにする場合 — 税務署からの通知がそちらに届くため、転送は必須です。
  • ストアに住所を公開する(販売アカウント)場合 — ユーザーや取引先から郵便が届く可能性があります。転送ありが無難です。

4. 契約の流れ

  1. Web から申し込む。プランと拠点(住所)を選びます。
  2. 本人確認を受ける。バーチャルオフィス事業者は犯罪収益移転防止法上の「特定事業者」にあたり、本人確認が法律で義務づけられています。最近は eKYC(スマホで本人確認書類と顔を撮影)で完結する事業者が多く、その場合は郵送のやり取りが不要です。
  3. 審査を待つ。1〜3 営業日が目安です。
  4. 住所の正式表記を受け取る。ここで案内される表記を、以降すべての手続きでコピー&ペーストして使います。

5. 用意するもの

  • 本人確認書類 — 運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど。
  • 事業内容の申告 — 何をする事業かを書きます。法律で確認が義務づけられている項目です。
  • 支払い方法 — クレジットカードまたは口座振替。
  • 開業届の控え — 求められる場合があります。まだ住所を直していない段階の控えでも受け付けられることが多いので、この順序(バーチャルオフィス契約が先、開業届の修正が後)で問題ありません。
審査に落ちないために

落ちる原因の大半は書類不備事業内容が曖昧なことです。「IT 関連」ではなく 「Android / iOS アプリの開発・公開・販売」のように具体的に書いてください。同じ書き方が、この後の D-U-N-S 申請の事業内容欄でもそのまま使えます。

なお、来客対応や個別の専有スペースが要る業種、許認可が必要な業種(人材紹介、士業の一部、古物商など)は、バーチャルオフィスでは開業できないことがあります。

6. Google Play 用途での固有の注意

  • 住所表記を 1 つに固定する。「〇〇ビル 5F」「〇〇ビル5階」「Room 501」など、同じ場所でも書き方が複数あり得ます。事業者の案内する正式表記をテキストで保存し、開業届・D-U-N-S・Play Console のすべてに同じ文字列を貼り付けます。ここのゆれが差し戻しの最大要因です。
  • 号室が共通番号のことがある。格安プランでは利用者全員が同じ号室を使う場合があります。それ自体は問題になっていませんが、案内された表記を勝手に省略・追記しないでください。
  • 拠点は変えられる前提で考えない。あとで拠点(住所)を変更すると、D-U-N-S と Google の再確認をもう一度回すことになります(STEP 7)。

7. バーチャルオフィス以外の選択肢

手段費用注意点
そもそも借りない0 円無料アプリのみなら住所は公開されません。まずこれを検討してください
実家・親族の住所を借りる0 円郵便の受け取りを頼むことになり、関係性に依存します。長期運用には向きません
コワーキングスペースの住所貸し月 3,000 円〜作業場所も欲しいなら合理的。住所貸しに対応しているか要確認
レンタルオフィス(実席あり)月 2 万円〜個人開発ではコストが見合いにくい
郵便局の私書箱無料事業所住所としては使えません。選択肢になりません

開業届の住所を整える1日〜/税務署

Google に提出する組織証明書類は開業届の控えです。記載されている住所が、D-U-N-S や Play Console に登録する住所と噛み合っている必要があります。すでに自宅住所で提出済みでも、後から変更できます。

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1. 「開業届の変更届」という様式は存在しない

開業届の記載内容を後から変えるための専用様式はありません。実務では、同じ「個人事業の開業・廃業等届出書」を、変更後の内容で提出し直すのが一般的な扱いです。事前に管轄税務署へ電話で「開業届の事業所住所を変更したい」と伝えて、書き方を確認しておくと確実です。

2. 納税地は自宅のままでよい

届出書には 納税地上記以外の住所地・事業所等 の 2 つの欄があります。納税地を事業所に変えると管轄税務署そのものが変わり、手間が増えます。納税地は自宅(住所地)のまま残し、上記以外の住所地・事業所等 の欄に事業所住所を記載するのが、負担が軽く、かつ書類上も事業所住所が明示される書き方です。

3. 提出方法と「控え」の作り方

Google に出すのは控えなので、控えが手元に残る形で提出します。

  1. e-Tax — 提出後に発行される受信通知(メッセージボックス)が控えの役割を果たします。PDF で保存できるため、Google への提出がいちばん楽です。
  2. 書面(窓口・郵送) — 提出用と控え用の 2 部を用意し、控えに収受印をもらいます。郵送の場合は返信用封筒(切手貼付)を同封します。
2023-01-01 以降の制度変更

かつて必要だった「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」は廃止されました。納税地そのものを変える場合も、届出書ではなく確定申告書に変更後の納税地を記載することで足ります。ただしこれは税務手続の話で、Google に見せる書類としての「事業所住所が載った開業届の控え」は別途必要です。

4. 屋号を決めておく

組織アカウントのデベロッパー名は屋号ベースになります。開業届の 屋号 欄、D-U-N-S の登録名、Play Console の組織名をすべて同じ表記に揃えます。全角・半角、スペースの有無、英字の大文字小文字まで一致させてください。ここのゆれが差し戻しの定番です。

D-U-N-S ナンバーを取得する数日〜30日

発行元は Dun & Bradstreet、日本の窓口は東京商工リサーチ(TSR)です。個人事業主でも付番されます。ここで登録した屋号と住所が、そのまま Play Console 側の正になります。全体のボトルネックなので、方針が決まった時点で真っ先に着手します。

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1. まず既存の番号がないか検索する

取引実績などから、知らないうちに付番されていることがあります。検索サービスで屋号・住所を引いて、既存レコードの有無を確認します。すでに登録があれば「自社の D-U-N-S Number を取得する(無料)」の導線で番号を確認でき、費用がかかりません。

2. なければ新規登録を申請する

新規に付番してもらう場合、TSR では有料のサービスプランが案内されます(3,300 円程度のプランが提示される例があります)。料金と発行までの日数は申請時の案内が正なので、申し込み前に必ず画面で確認してください。

3. 登録する情報

  • 事業体名 — 開業届の屋号と完全一致させる。
  • 所在地 — STEP 1〜2 で決めた住所。ここが Play ストアに出る住所の元になります。
  • 電話番号 — 組織アカウントでは電話番号もストアに掲載されます。個人の携帯を出したくない場合は、事業用の番号(IP 電話や転送番号)を用意しておきます。
  • 事業内容・従業員数 — 個人事業主なら 1 名で問題ありません。
ここが最重要

Play Console の組織名・住所は D&B(TSR)側のプロフィールが正として扱われます。登録後に住所を変えたくなった場合も、Play Console からは直接変更できず、D&B 側を直してから Google に再確認してもらう流れになります(STEP 7)。だからこの画面での入力が、後戻りコストのいちばん高い箇所です。

4. 発行を待つ

標準の発行期間は数日から 30 日程度です。この間に、target API level の更新やストア素材の準備を並行して進めます。

Play Console でアカウントを作る$25 / 一回のみ

D-U-N-S ナンバーが手元に来てから着手します。登録料は $25(一回のみ、返金不可)です。年額ではありません。

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1. 事業用の Google アカウントを先に用意する

デベロッパーアカウントは、後から別の Google アカウントに移すのが非常に面倒です。普段使いの個人アカウントは使わず、事業用のアカウントを新規に作ってから登録を始めてください。パスワードと 2 段階認証のバックアップコードは確実に保管します。

2. アカウント種別で「組織」を選ぶ

登録フローの最初に 自分用組織 かを選ぶ画面が出ます。ここで 組織 を選びます。この選択は後から変更できません。個人を選ぶと 12 人テスター要件が付いてきます。

3. 登録料 $25 を支払う

  • プリペイドカードは使えません。通常のクレジットカードまたはデビットカードを用意してください。
  • 海外決済扱いになるため、カードの海外利用制限が有効だと弾かれます。事前に解除しておきます。
  • 返金不可です。アカウント種別を間違えたまま支払うと、$25 が無駄になります。

4. お支払いプロファイルを作成する

支払いに使う Google Payments のプロファイルを作ります。ここでもアカウントの種類を「個人」か「ビジネス」から選択します。組織アカウントならビジネスを選び、屋号と事業所住所を入力します。この選択も後から変更できません。

5. D-U-N-S ナンバーを入力する

入力すると、Google が D&B のデータベースと自動照合します。組織名・住所が一致しないとここで止まります。D&B に登録した表記を、コピー&ペーストでそのまま入れるのが確実です。

本人確認・組織確認の書類を提出する審査 数日〜2週間

組織の実在を示す書類として 開業届の控え、本人確認としてパスポートや運転免許証などを提出します。差し戻しの原因はほぼ表記のゆれです。

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提出するもの

  • 組織の証明 — 開業届の控え。収受印、または e-Tax の受信通知が読み取れる状態でスキャン・撮影します。
  • 本人確認 — パスポート、運転免許証、マイナンバーカードなど。個人番号(マイナンバー)が写り込む面は提出しないよう注意してください。

差し戻される典型パターン

  • 住所の表記ゆれ — 「1丁目2番3号」と「1-2-3」、ビル名・部屋番号の有無。D&B 側の表記に完全に合わせます。
  • 屋号の表記ゆれ — 全角・半角、スペース、英字の大文字小文字。
  • 書類の不鮮明さ — 影・見切れ・低解像度。四隅が全部入るように、明るい場所で撮ります。
  • 収受印がない — 控えに印がない場合、証明書類として認められないことがあります。

期限に注意

確認の依頼を受けてから提出までに期限が設定されます。放置するとアカウントが停止されることがあるので、通知メールは見落とさないようにしてください。

登録後に住所や屋号を変えたくなったらD&B 経由

Play Console から直接は変更できません。ここを知らずに自宅住所で登録してしまうと、後始末に時間がかかります。だからこそ STEP 1 の順序が効いてきます。

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組織アカウントの場合

  1. 先に Dun & Bradstreet(TSR)側のプロフィールを更新する。Play Console で直接書き換えることはできません。
  2. D&B 側の更新が反映されると、アカウント所有者宛に Google からメールが届き、身元確認をやり直すよう案内されます
  3. 案内に従って、新しい住所が記載された書類(更新した開業届の控えなど)を再提出します。

D&B の更新自体に日数がかかり、そのあと Google の再確認が入るため、合計で数週間かかることを見込んでおいてください。

個人アカウントの場合

氏名・住所は自分では変更できず、Google の専用フォームから変更を申請する形になります。上のヘルプページ内にフォームへの導線があります。

結論

住所は「あとで直せるもの」ではなく「最初に決め切るもの」として扱ってください。D-U-N-S を申請する前が、コストをかけずに方針を変えられる最後のタイミングです。

Pitfalls

直配布 APK から移行するときの地雷

すでに自分のサイトで APK を配っているアプリを Play に載せ替える場合、この 2 つを外すとユーザーを巻き込む事故になります。

1

署名鍵は既存のものを引き継ぐ

外すと:サイドロード済みユーザーがアンインストールしないと移行できず、データも消えます。

Android は、同じパッケージ名でも署名が違うアプリを上書きインストールできません。Play 版を新しい鍵で署名してしまうと、すでに直配布版を入れているユーザーは一度アンインストールする必要があり、アプリ内のデータも失われます。

対策:Play App Signing の設定時に、既存の keystore をアップロード鍵かつアプリ署名鍵として登録します。これで直配布版からそのまま上書きインストールできます。applicationId(パッケージ名)も既存のまま変えないでください。公開後は変更できません。

2

自己アップデート機能は必ず無効化する

外すと:ポリシー違反でリジェクト、最悪はアカウント停止につながります。

直配布アプリでは「自サイトの changelog を見て、新しい APK をダウンロードしてインストーラを起動する」という自前の更新機構を積むことがあります。これは Google Play の Device and Network Abuse ポリシーが明確に禁止している行為です。ポリシーは、アプリが Play の更新機構以外の方法で自身の APK を書き換えることを認めていません。

対策:ビルドフラグで分岐させ、Play 向けビルドでは更新チェックのコードに到達しないようにします。フラグを立て忘れないことを運用ルールとして固定してください。アプリ内で更新を促したい場合は、Play が公式に提供する In-App Updates API を使います。

Deadline

target API level には期限がある

2026-08-31

この日から、Google Play への新規アプリ・アップデートは Android 16(API level 36)以上をターゲットにする必要があります。満たしていないビルドはアップロードできません。

間に合わない場合は 2026-11-01 までの延長申請が可能です。

やること

既存アプリについても、API level 35 未満のままだと、自分のターゲットより新しい Android を載せた端末の新規ユーザーに表示されなくなります。公開して終わりではなく、毎年この更新が発生する前提でスケジュールを組んでおくのが現実的です。

同じ日にもう一つ期限がある:Play Billing Library 8

2026-08-31

アプリ内課金を使っているアプリは、この日から Play Billing Library 8.0.0 以降を使っていないと、新規アプリ・アップデートを公開できなくなります。こちらも 2026-11-01 までの延長申請が可能です。

公開済みのアプリが消えるわけではありませんが、アップデートが出せなくなります。Google は 8 で止めず 9 に上げることを推奨しています。

無料アプリのみなら関係ありません。ただし target API 36 と期限が同じ日なので、課金を入れる予定があるなら同時に片づけるのが効率的です。

Blind spots

見落としやすい要件

手続きが通っても、ここでつまずくと公開が遅れます。頻度の高いものから並べています。

1

権限を消し忘れる(自己アップデートとセット)

自己アップデート機能を消したら、AndroidManifest.xml から REQUEST_INSTALL_PACKAGES 権限も外してください。この権限が残っていると Play Console の権限宣言フォームの提出が必須になり、用途の説明と動作を示す動画の提出まで求められます。ポリシー要件を満たさない、あるいは未提出のままだと、アップデートを出せなくなります。

依存プラグインが勝手に追加していることもあるので、ビルド後の AndroidManifest.xml をマージ結果で確認してください。QUERY_ALL_PACKAGESAD_ID も同じく宣言対象です。

2

テストトラックを使わずにいきなり製品版へ出す

組織アカウントで免除されるのは「12人 × 14日間」の要件だけで、テスト機能そのものは使えます。Play には 内部テスト → クローズドテスト → オープンテスト → 製品版 の 4 トラックがあり、内部テストは最大 100 名・即時反映で、審査を待たずに配信できます。

製品版に出すときも段階的公開(staged rollout)で 1% から始めれば、事故に気づいた時点で公開を止められます。いきなり 100% にしないでください。

3

リリース前レポートを見ない

AAB をアップロードすると、Google が実機(Firebase Test Lab)で自動的にクロールし、クラッシュ・ANR・アクセシビリティ・セキュリティの問題をレポートしてくれます。無料です。ここで出た問題を潰してから製品版に上げると、公開直後の事故が大きく減ります。

4

Android Vitals のしきい値を知らない

公開後は品質指標が監視され、しきい値を超えるとストアでの発見されやすさが下がります。ストア掲載ページに警告が表示されることもあります。

  • ユーザー認知クラッシュ率 — 全機種合計で日次ユーザーの 1.09% 以上
  • ユーザー認知 ANR 率 — 全機種合計で日次ユーザーの 0.47% 以上
  • 機種単位 — 特定機種で 8% 以上のユーザーがクラッシュを経験

直配布のときは誰も見ていなかった数字が、Play では露出に直結します。

5

審査用のログイン情報を出し忘れる

ログインしないと主要機能が使えないアプリは、審査担当者用のテストアカウント(ID・パスワード)や手順を提出する必要があります。出さないと「機能が確認できない」で差し戻されます。

6

アップロード鍵のバックアップを取っていない

Play App Signing を使うとアプリ署名鍵は Google が保管してくれますが、アップロード鍵は自分で管理します。紛失するとリセット申請が必要になり、その間はアップデートを出せません。keystore ファイルとパスワードは、開発機とは別の場所にバックアップしてください。

7

直配布版との二重運用を決めていない

Play に載せたあと、自サイトの APK 配布を続けるのか止めるのかを先に決めてください。同じ applicationId でも、Play からインストールしたユーザーは Play 経由でしか更新されません。両方を残すと、バージョンが分岐して問い合わせ対応が二重になります。Play を正とし、自サイトはダウンロードページへの導線に置き換えるのがいちばん単純です。

8

手数料の前提を確認していない

課金する場合、Google Play の手数料は年間売上 100 万ドルまで 15%、超過分は 30%が基本です。定期購入は初日から 15% が適用されます。価格設定を決める前に、この前提で採算を確認してください。

Checklist

公開までに揃えるもの

項目内容
ビルド形式AAB(.aab)必須。APK ではアップロードできません
アプリ署名Play App Signing。既存鍵を引き継ぐ場合は前章を参照
プライバシーポリシー公開 URL が必須。自サイトに静的ページを置けば足ります
データセーフティ収集・共有するデータの申告フォーム。組み込んだ SDK が裏で送るものも含めて申告する必要があります
コンテンツレーティングIARC の質問票に回答
ストア掲載素材アイコン 512×512、フィーチャーグラフィック 1024×500、スクリーンショット最低 2 枚、短い説明 80 文字以内、詳細な説明 4000 文字以内
対象年齢・広告申告が必要。ファミリー向けは追加要件あり
アカウント削除導線アカウント登録機能があるアプリは、アプリ内の削除手段と削除用 URL の提供が必要

初回審査は、新規アカウントだと 1〜2週間かかることがあります。2 本目以降は短くなる傾向です。リリース日を約束する場合は、この不確実性を織り込んでおいてください。

Tax

税務まわりで押さえること

経費にできるもの

確認が必要なもの

Plan

進め方:待ち時間を遊ばせない

D-U-N-S 取得とアカウント審査で 2〜6週間は自分では動かせません。この期間に手を止めるかどうかで、公開日が 1 ヶ月変わります。2 系列を並行させます。

待ちが発生する系列(先に着手)

この 4 つは順番を入れ替えられません。後ろから直すと数週間の手戻りになります。

  • 住所方針を決定(課金の有無から逆算)
  • 必要なら事業所住所を契約(1〜3 営業日)
  • 開業届に事業所住所を反映し、控えを取得
  • D-U-N-S ナンバーを申請(数日〜30 日)
  • 組織アカウント登録・審査(数日〜2週間)

並行して進める系列

  • targetSdk / compileSdk を 36 に更新し実機で回帰確認
  • 自己アップデート機能を Play 版ビルドから排除
  • 既存 keystore を Play App Signing に引き継ぐ準備
  • プライバシーポリシーページを公開
  • ストア掲載素材の作成
  • データセーフティ申告の内容を依存 SDK まで洗い出す
Before you ship

公開前チェックリスト

References

一次情報

本ページは、Google Play への公開手順を実務目線で整理した一般的な情報であり、税務・法務の助言ではありません。Google のポリシー・要件・手数料、および税制は変わります。ここに書かれた内容は 2026-08-11 時点のものです。実際の手続きの前に、必ず上記の一次情報で最新の要件を確認してください。